女子シングルスは伊藤美誠(スターツ)が制し、日本人アベック制覇となった。

 三度目の正直で金星を挙げた。伊藤が中国の次代のエース、王曼■から初めて勝利を挙げた。相手とは3週連続の対戦。2週前の香港オープンで3-4、先週の中国オープンでは0-4で敗れたが、地元開催でついに打ち破った。「3回負けたらやばいと思った。同世代で手の届かない選手だと思っていたので、すごくうれしい」と喜んだ。

 準決勝で世界10位の陳幸同(中国)に3ゲームを先取されてから大逆転で決勝に進んだ。その反省を生かし、決勝は最初から攻めた。2ゲームを先取し、主導権を握って勝負を決めた。「準決勝で1回死んで生き返った感じ。決勝では、先手を取ろうと思った。ジュースも2回取れてそこが成長かな」と話した。

 王曼■はずっと背中を追ってきた2つ上のライバル。幼少期から同じ大会に出てきたが、過去6度の対戦で1度も勝てなかった。ようやく1勝を挙げ、会見で「切磋琢磨(せっさたくま)して東京オリンピック(五輪)の決勝で戦いたい」と夢を語った。が、それを聞いた相手は「対戦できるかは伊藤選手の頑張り次第」と上から目線。会見後、伊藤は「何とも思ってないですよ」とかわした。中国勢に連勝し、自信と余裕が備わってきた。

 ◆伊藤美誠(いとう・みま)2000年(平12)10月21日、静岡・磐田市生まれ。11年1月の全日本選手権一般の部で、10歳2カ月で史上最年少で勝利。17年6月の世界選手権では、早田との「みまひな」コンビで女子ダブルス銅メダル。16年リオ五輪女子団体では銅メダルを獲得した。ワールドツアーは通算5勝。大阪・昇陽高3年。世界ランク6位。150センチ。

※■は日の下に立