14年ソチオリンピック・フィギュアスケート男子銅メダルのデニス・テンさん(25)が19日、故郷カザフスタンの都市アルマトイで、2人組の強盗に襲われて刺殺された。

 悲報を受けて、カザフスタンの文化・スポーツ省のアリスタンベク・ムハメハディリ大臣は「デニス・テンさんは、とてつもないフィギュアスケート選手で、わが国のスポーツの伝説であり誇りだ」と追悼の声明を発表した。カザフスタンの国際ニュース通信社「カズインフォルム」が報じた。

 ムハメハディリ大臣は、声明の中で「最高の医師たちが、命を守ろうと戦ったが、テンさんは亡くなってしまった。彼は、まだ25歳だ。(刺殺は)恐ろしく、また不条理な悲劇だ」と、テンさんが救急搬送されたアルマトイ中央病院の救急センターで、懸命な治療が行われたことを明らかにした。

 テンさんは、25歳の誕生日を4日後に控えた6月9日に、カザフスタンの首都アスタナで、アルマトイからの遷都20周年を記念してアイスショー「デニスと友人たち」を開いていた。同大臣は「みんながデニスの25歳の誕生日を祝福したのだ。そして今日、我らがゴールデンボーイは、ナイフの攻撃で逝ってしまった。奇跡がデニスを救ってくれると信じていた。不幸にも、奇跡は起こらなかった」と悲痛な思いを吐露した。