トロロッソ・ホンダはピエール・ガスリーが中団勢トップの6位でフィニッシュし、前戦ドイツGPのブレンドン・ハートリーに続いて連続入賞を果たした。

 バーレーンGPの4位に次ぐ好結果に、ガスリーは満面の笑みを浮かべた。

 「今日は特にクルマの仕上がりが良かったんだ。トロロッソのようなチームにとっては、こういう大きなチャンスは年に2度あるか3度あるかというレベルだ。その大きなチャンスをしっかりとつかみ取れた。そういう意味でも本当にうれしいよ」

 ガスリーはスタートからウルトラソフトタイヤで誰よりも長い32周を走行し、普段は中団トップにつけているハースのマシンを引き離していった。マシンのセットアップがバッチリと決まったことが最大の要因だったとガスリーは振り返る。

 「今日のマシンバランスは少しバーレーンの時を思い出させるようなところがあって、すごく気持ち良く走ることができたし、アタックしてもタイヤの前後ともそんなに失わない状態だった。普段はとても難しいけど、今週末は(マシンとタイヤの)スイートスポットに合わせ込むことができたんだ。だからマシンバランスが良くて、タイヤを長く保たせることができたというわけさ」 ハートリーは8番グリッドからスタートし入賞圏内を走っていたが、早めのピットストップが裏目に出てソフトタイヤで走り続けた数台のマシンに逆転され11位フィニッシュ。「コース上では抜かれなかったし僕は何もミスをしていないのにピットストップで順位を落としてしまった」とフラストレーションをにじませた。

 ハンガリーGPの舞台ハンガロリンクは中低速コーナーが多くストレートが短いため、パワーの有無がラップタイムに与える影響が小さい。しかし全開率は55%と極端に低くはなく、好調の理由はむしろ車体側の仕上がりの良さにあったとホンダの田辺豊治テクニカルディレクターは語った。

 「(好調の理由として)パワー感度が低いというのも当然あるとは思いますが、相対的に言うとクルマの仕上がりが非常に良かったということだったんだと思います。予測できないようなクルマの動きやコーナリング中のマシンバランスの変化がないということで、非常に安定した走りができていました。トラクションも今回はここ数戦に比べると非常に良かった。それを毎戦手に入れるためにはどうしたら良いのか?というのをこれから考えないといけません」

 F1は8月下旬のベルギーGPまで3週間の夏休みを挟む。この間にどのチームもファクトリーは2週間のシャットダウンを行うが、許された時間を最大限に有効に使いシーズン後半戦に向けた準備をしっかりと整えることが重要になりそうだ。

(米家峰起通信員)