日大アメリカンフットボール部の反則問題で、日大の第三者委員会が３０日、都内で最終報告書を公表した。経営トップの田中英寿理事長（７１）がガバナンスの機能不全を放置し、説明責任を果たしていないと指摘。組織改編などの改善策提示とともに、理事長には反省声明発表を要望にとどまった。報告書を受理した日大は内田正人前監督（６２）と井上奨前コーチ（３０）の懲戒解雇を発表した。

＜勝丸委員長と一問一答＞

　－田中理事長の責任について

　内田氏の独裁体制をガバナンスの効かないまま放置していた理事長、学長の責任は認められる。日大幹部は（この問題が）アメリカンフットボール部の問題で自分たちの問題とは捉えていなかった。

　－理事長の処分を提案しないのか

　理事長の行動は多くの問題があったと指摘した。その結果を受けての出処進退は本人が判断されること。処分も大学当局で考えること。第三者委は処分をする権限は持っていない。私どもの責任は果たしたつもり。

　－大学の上層部が変わらなくてもガバナンスは変わると考えているか

　最終報告書では大きな組織改編を提言している。トップが変わるか変わらないかの問題はあるが、実践していただければ大いに変わると期待している。

　－今後の日大アメフト部へ

　今回の報告書や新監督の選考を含めて、少しずつ再建への１歩を踏み出していると思っている。