関東学生アメリカンフットボール連盟は31日、都内での臨時理事会後に記者会見を開き、関西学院大の選手を悪質な反則で負傷させた問題で、18年度シーズン終了まで公式試合の出場資格停止とした日大について、出場停止を解除しないと発表した。会見の質疑応答の中で、前日30日に日大が懲戒解雇した内田正人前監督が、関東学連に対して異議申し立てを行っているかどうかの、事実確認をする質問が出た。関東学連関係者は「出ておりません」と否定した。

 5月6日に行われた日大と関学大の定期戦で、日大DL宮川泰介選手が関学大QB奥野耕世選手の背後から悪質なタックルを仕掛け、右膝軟骨損傷と腰の打撲で全治3週間のけがを負わせた。その試合の映像が当日からインターネット上などで拡散し、社会問題化した。その後、5月22日に宮川選手が都内で会見を開き、悪質な反則タックルは内田前監督と井上奨前コーチの指示に基づくものだと説明したが、内田前監督と井上前コーチは翌23日に開いた会見で指示を否定し、奥野選手を負傷させる意図はなかったなどと説明した。

 関東学連は同29日の臨時理事会で協議し、内田前監督と井上前コーチの主張を虚偽として、永久追放に当たる最も重い除名の処分を科した。内田氏は自宅待機となった6月以降、公の場で反論しておらず、関東学連は6月26日の総会で内田、井上両氏の処分を正式決定したが、内田氏らは通知を受けてから30日以内なら異議申し立てができた。【村上幸将】