日本ボクシング連盟を告発した都道府県連盟の幹部や歴代オリンピック(五輪)選手ら333人の告発状には、補助金の不正流用のほかにも山根明会長(78)にまつわる不適切行為を訴える箇所が、複数ある。全国大会開催中の夜、山根氏主催のマージャンが行われ、関係者が朝方まで半強制的に参加させられたとの記述や、マージャン中に理事が山根氏の足をもみ続けたなどの状況も記されていた。一方、連盟側は1日、ホームページ上で新たに声明を発表し、告発状の一部について反論した。

 「日本ボクシングを再興する会」(鶴木良夫代表)の告発状によると、7項目「全国大会開催時における不適切行動」に、「持ち込んだマージャン卓を使って、夕食後から朝方まで賭けマージャンを常習的に行っていた」と指摘している。添付資料によると、夕食が終わる頃、山根会長が「オイ! 今日は何時からや?」「夕食後は別室に来るように」と言うと、マージャンが始まるという。

 参加者は山根氏とその息子の昌守会長代行で、招集された理事2人は拒否することはできなかった。

 14年10月の国体、15年3月の全国高校選抜、同8月の全国高校総体、同10月の国体で同様の行為が行われ、山根氏と昌守氏が負けず嫌いのため、朝方まで行われたという。勝った人には山根氏が「マージャンパイの送料は勝った人持ち」などと言い、4万~5万円の送料を徴収したこともあった。

 マージャン部屋はホテルに設置されている娯楽室ではなく、大会開催地の連盟が電動マージャン卓を調達し、専用部屋を別に貸し切っていたという。15年の高校総体時には、マージャン卓が古く、ゲーム開始直後に故障したため山根氏が「こんな腐ったマージャン台を持ってきやがってボケ!」と兵庫県連盟理事を怒鳴ったこともあったとしている。

 告発状には、山根氏と理事の関係性がうかがえる記述もあった。マージャン中、理事の1人が山根氏の真後ろに立って肩をもみ、休憩でベッドに横たわった際には足をもみ続けていたという。別の理事は飲み物や灰皿の交換、片付け、掃除を行っていた。「賭けマージャンといっても山根氏に小遣いを落とすための『接待マージャン』で、手加減をするには苦労させられた」とも記されていた。

 高校生、大学生ボクサーが減量の努力の末、リングに立ち、懸命に試合をしている大会中にあったとされる「不適切行動」。連盟側はこの日発表した声明で、この件には触れていない。