今季初戦に臨んだ平昌五輪4位の宮原知子(20=関大)が新SP「小雀に捧げる歌」で67・53点を記録し、首位発進となった。

1つ1つの動きを丁寧に表現し、ジャンプはルッツ-トーループの連続3回転、ダブルアクセル(2回転半)、3回転フリップを着氷。冒頭の連続ジャンプと3回転フリップで回転不足となったが、3つのスピンとステップは全て最高評価のレベル4を獲得した。演技直後に喜ぶことはなかったが、浜田コーチと顔を合わせると笑顔を見せた。

シーズンのスタートから、完成度の高さを示した。1年前は左股関節の疲労骨折などから復帰を目指す最中で、初戦は11月中旬のグランプリ(GP)シリーズ第4戦NHK杯にずれ込んだ。そこから2枚の五輪切符をつかんだが、五輪前後も再発を防ぐため、体の調子と相談して練習メニューを組む日々が続いていた。

迎えた18年4月。医師から完治の知らせを受け、オフシーズンは2年ぶりに充実した調整を行うことができた。

9月7日に行われた公開練習では「リセットのシーズン。新しいことにチャレンジするシーズンにしたい」とテーマを設定した。新SPは「ムービースターのイメージで、自分1人にスポットが当たっている感じ」。年々明るい性格に変化する20歳は「日常ではあまりキラキラしていないので」としっかり笑いを取った上で「ショートの曲がかかったらどうしてもジャンプ、ジャンプとなりがちだけれど、振り付けの方にも気持ちを乗せていきたい」と誓っていた。

現地のファンからも「フォ~!」という声が聞こえた今季の第1歩。15日(日本時間16日)のフリーでも、新しい自分を表現する。