トロロッソ・ホンダは、決勝でも好結果を期待していたが大苦戦を強いられ、浮上のきっかけをつかめないままピエール・ガスリー13位、ブレンドン・ハートリー17位という結果に終わった。

自由にスタートタイヤが選べる予選11位以下ではウルトラソフトが大半だったが、その中でハイパーソフトタイヤを選びギャンブルに挑戦したもののうまくいかなかったとガスリーは語った。

「スタート直後はザウバーの2台を抜いて(エステバン・オコンの)クラッシュでも1台減って15位から12位にポジションアップして良いところに行けるかなと思ったけど、結果はほど遠かったね。マシンに速さがあってなおかつ戦略もうまくいけばポイント獲得もできるかと思ったんだけど、僕らは第1スティント(スタートから1回目のピットイン)までハイパーソフトを履くというある種のギャンブルをしたが、思っていたよりもデグラデーションが大きくて15、6周目にはタイヤがタレ始めてしまってかなり苦しんでしまった。ウルトラソフトに履き替えてからはシロトキンに抑え込まれたりブルーフラッグの混乱があったりで15から20秒は失ったし、レースはかなり妥協を強いられてしまった。いずれにしても今週末の僕らにはトップ10圏内で争う力はなかったよ」

チーフレースエンジニアのジョナサン・エドルスは、金曜の段階で抱えたタイヤの扱い方に関する問題は解決済みで、不振の原因はマシンの基礎的な部分にあると考えている。その原因究明のためにデータ分析を急がなければならないと語った。

「最大ダウンフォースのパッケージだからストレートが遅いのは当然だが、コーナーでもこれだけ遅かったというのには我々自身も非常に驚いているんだ。タイヤの運用方法はきちんと理解できたと思っているから、我々はセットアップ、空力、空力センシティビティーなど、あらゆる面に対して分析をしなければならない。理解すべきことは山積みだよ。予選Q2では風の影響でダウンフォースを失って苦戦を強いられたが、ひとつ上のマーカス・エリクソンは0・3秒差だったが、その上は1秒差だったから、それはマシンセットアップでは取り返せない差だ。仮にアンチロールバーや車高などのセットアップが完璧だったとしても、1秒も遅くなるようなことはない。つまりマシンパッケージの基礎的な問題だというわけだよ」

思いがけないところでつまずき、それを取り戻せないままレース週末が終わってしまった。ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターも落胆に言葉少なめだが、原因を究明し事象を理解することで成長につなげなくてはならないと気を引き締めた。

「どこがどう影響して今回この戦闘力になったのか、それをしっかりと解析してこの先につなげていくということをやらなければなりません。セッティングで直せるものなのか、直せない持病のようなものなのか、セッティングで助けられるけど完全には直らないのか、それはこれから分析しなければなりません」(米家峰起通信員)