初めて日本代表入りした五十嵐カノア(20)が、圧倒的なライディングで1回戦を1位通過した。

1回戦最終32組で登場し、16・34と今大会ここまでで最高得点をマーク。チャンピオンシップツアー(CT)選手の実力で、ビーチの視線を独り占めした。

今大会初登場の五十嵐は同組のイグナシオ(アルゼンチン)が8・00をマークしたのを見て「頭の中でカチっとスイッチが入った」と話した。絶好の波に乗ると豪快に3つの技を決めて9・17。「9点台を出したいと思っていたし、出たと思った」。続いて7・17を出して楽々1位突破。「いい波が来た。いいパフォーマンスが出せた」と、うれしそうに振り返った。

圧倒的な人気で、五十嵐が動くと人の波が動いた。CTでの背番号「50」が描かれたTシャツを着た「サポーター」が大声援を送った。「50」は名前から。米国選手として活動している時も、日本人「五十嵐」であることは忘れなかった。

ビーチを埋めた観客、初めての日の丸。さすがの五十嵐も「プレッシャーがあった」と話した。それでも「(日本代表の)みんなもサポートしてくれるし、チームで戦うのはパワーになる」と言い「緊張がなければ、モチベーションにもならない」と言ってのけた。「個人とチームで優勝を狙う」と言う五十嵐の世界選手権が始まった。