シニア初戦を迎えた紀平梨花(16=関大KFSC)が70・79点を記録して首位発進を決めた。

今季からSPで取り入れる冒頭のトリプルアクセル(3回転半)は転倒したものの、残りでミスをカバー。SP70点台に到達した。トゥルシンバエワ(カザフスタン)が69・99点で2位につけ、新田谷凜(21=中京大)は45・57点で10位となった。

17年全日本選手権3位の有望株が、シニアデビュー戦で笑顔の首位発進だ。「キス・アンド・クライ」で得点表示を見ると、紀平は笑顔で拍手した。新プログラムは「月の光」。かつて浅田真央さんも使用した名曲で、シニアでの戦いをスタートさせた。

冒頭のトリプルアクセルは転倒し、出来栄え点(GOE)で4・00点の減点。直前の6分間練習では成功していたものの、本番では悔しい結果になった。だが、冷静に続くフリップ-トーループの連続3回転ジャンプを成功。最後も3回転ルッツを決めた。3つのスピンと、ステップは全てレベル4の最高評価を得て、大崩れすることはなかった。

7月下旬に行われた全日本シニア合宿では「トリプルアクセルは絶対に外さないと決めている。どんな試合でもどんな状況でもできるようにしたい」と誓いを立てた。ジュニア時代と比べ、練習では成功率が上がっている大技。フリーでは2本用いることも想定しており、デビュー戦での優勝へ、視界は良好だ。