2連覇を果たした女子70キロ級の新井千鶴(24=三井住友海上)が、両目のコンタクトが外れた状態で戦っていたことを明かした。

試合後、報道陣の取材に応じ、前大会準優勝のペレス(プエルトリコ)との準決勝で「(組み手が)激しく、何回も顔に当たってコンタクトが外れた。両目が外れて、あまり見えない状態だったけど、それぐらいがむしゃらに前に出た」と仰天告白した。さらに、世界ランキング2位のガイー(フランス)との決勝では、片目のコンタクトが一度外れて入れ直す場面があった。開始16秒で技ありを奪われたが、入れ直す時間があったことで「自分の中で1回呼吸を整えることが出来た」として、再び“戦闘スイッチ”が入った。1分16秒に得意の内股で技ありを奪い、縦四方固めで合わせ技一本。一気に勝負を決めた。

昨年、世界女王となり重圧に苦しんだ。4大会連続で優勝を逃し、その雪辱を今大会で果たした。「チャンピオンになって勝ちきれなかったから…心からうれしい。最後、強い気持ちで勝利を手に出来て、本当に良かった」。涙しながら安堵(あんど)の表情を浮かべた。

再び、世界王者となりグランドスラム大阪大会(11月23~25日、大阪市中央体育館)を制覇すれば、19年世界選手権代表に内定する。「強い気持ちでもう1回スタートしたい」と、次戦に向けて決意を新たにした。