世界ランク6位の日本が同8位のオランダに2-3(25-16、26-28、25-19、13-15)で敗れ、1勝1敗となった。

オランダは2連勝。同13位のドイツは3-0で同18位のカメルーンを、同26位のメキシコは3-0で同11位のアルゼンチンを下した。ドイツ、カメルーン、メキシコは1勝1敗、アルゼンチンは2敗。

日本が大事な試合を落とした。2-2のフルセットで迎えた最終セット。9-14から13-14まで粘ったが、最後はオランダのパワーの前に敗れた。

オランダとはこれまで24勝21敗。ただ、最近10年では6勝8敗と負け越している。平均で190センチに迫る高さとパワーに加え、最近は組織力も兼備。リオ五輪では日本の5位タイを上回る4位に躍進している。1次リーグの成績が2次リーグに持ち越されるため、目標のメダル獲得へ中田久美監督が公言する「全勝突破」へは、オランダ戦がカギだった。

今年5月24日。中田監督はこみ上げる涙をこらえきれなかった。愛知県豊田市で行われたネーションズリーグのオランダ戦に0-3で完敗。この時点で世界選手権での対戦が決まっていただけに、何としても勝っておきたかった。試合後の会見で言葉を詰まらせた。「ふがいない試合をして…申し訳ありません…。しっかり選手と向き合って、やるべきことを確認したい。選手より私自身の問題でもある」。負けちゃいけないという気持ちが重しとなって戦う姿勢を見せられなかった選手たち。それを勝利へ導けない、中田監督の自分自身へ向けた怒りと悔しさに満ちた涙だった。

この日を境に日本代表は少しずつ変わりはじめた。選手だけのミーティングで試合や練習へのテーマや目標を設定し、早朝や夜遅くまで自主練習に取り組む姿も多くなった。ネーションズリーグは10位、8月のジャカルタ・アジア大会は4位と結果は出なかったが、確実に戦う集団へ進化しつつある。29日のアルゼンチンとの開幕戦で選手たちは自主的に8年前の銅メダル獲得試合の映像を見て臨んだ。最多15得点の古賀紗理那の声は試合後、聞き取れないほどかれていた。この世界選手権にかける気持ちの表れでもあった。

オランダに今年2つめの黒星を喫した日本は1日、メキシコと対戦する。

◆大会メモ 出場24カ国が4組に分かれて1次リーグ(L)を戦い、各組上位4カ国、計16カ国が成績を持ち越して2次Lに進む。8カ国ずつ2組に分かれる2次Lでは、1次Lで戦った4カ国が同じ組に入り、他組から勝ち上がった4カ国と対戦する。各組上位3カ国、計6カ国が進む3次Lは2組に分かれての総当たり戦。各組上位2カ国が準決勝、最下位の2カ国が5、6位決定戦へ進む。