世界ランク6位の日本は同13位のプエルトリコを3-0(25-22、25-14、25-18)で破って1次リーグから通算6勝1敗とし、3次リーグ進出圏の3位をキープした。プエルトリコは2勝5敗。

日本は黒後愛(東レ)をベンチに置き、石井優希(久光製薬)をスタメンに起用。奥村麻依(ナコンラチャシマ)の移動攻撃、古賀紗理那(NEC)のスパイクで得点を重ねると、石井もバックアタックなどで期待に応えて第1セットを先取した。

第2セットからは長岡望悠(久光製薬)が出場して強打で会場を沸かせ、荒木絵里香(トヨタ車体)の速攻も決まって連取。第3セットも長岡、荒木らの攻撃と石井の好サーブなどで奪ってストレート勝ちした。

試合会場で純白のフラッグが掲げられ、日本の選手たちの戦いを見守っている。真ん中に毛筆で「覇気」の文字。その周囲に中田久美監督以下スタッフ、選手が氏名を直筆で書きこんだものだ。この「覇気」が今大会の日本のテーマになっている。

5~6月のネーションズリーグで7勝8敗の10位、8月のジャカルタ・アジア大会では優勝を目指しながら4位に終わった。思うような結果が出せなかった選手たちは、9月の強化合宿中に自主ミーティングを開いた。岩坂名奈主将(久光製薬)が言う。「このチームは静かな方なので、自分の感情をもっと表に出す、コートで大声を出して元気に暴れ回る、といった意味をこめました」。選手からはいろいろな意見が出たが、最終的には荒木の提案で「覇気」が採用された。

1次リーグのオランダ戦でフルセットの惜敗。奪った2セットは9点差、6点差をつけたが、失った3セットはすべて2点差と、競り合いになるとプレーの精度が落ち、ミスが出る弱点を露呈した。しかし2次リーグ初戦、7日のドミニカ共和国戦は1、2セットを連取しながら追いつかれる展開から最終セットを制して勝ちきった。選手もチームも戦いながら着実に進化を続けている。

「覇気」には「あふれるばかりの意気」のほかに、「覇者になろうとする意気、野心」という意味もある。20年東京五輪で金メダル獲得という大目標を掲げる中田ジャパン。その道しるべになる今大会のメダル獲得へ戦いは続く。