世界ランク6位の日本が同3位のセルビアに3-1で逆転勝ちし、1次リーグから通算7勝1敗とした。セルビア、オランダと勝敗で並び、得点率で2位に浮上。第1セットを先取されたが、途中出場の石井優希(27=久光製薬)が攻守に安定したプレーで勝利に貢献した。今日11日に4位のブラジルと対戦、1セットを奪えば敗れてもセット率で上回り、3次リーグ進出の3位以内が確定する。

マッチポイントを決めたのは石井だった。第4セット、レフトからのアタックがセルビアのブロックアウトを誘う。中盤まで4点をリードされながらも競り合いを制し、3セットを連取した。「割り切りました。途中から出場しても役割はチームに貢献すること」。石井は笑顔で言った。

先発した新エース黒後が連続でブロックにつかまるなど不調。第1セット終盤に交代出場すると、そのままコートに立ち続けた。長岡、古賀の19点に次ぐ14得点。サーブレシーブでもチームを立て直した。

リオ・オリンピック(五輪)の主力。昨季のVリーグMVPに輝いたが、この大会は好調な古賀、黒後の陰に隠れてベンチスタートが続いた。1次リーグでも先発は実力差のあるメキシコ、カメルーン戦のみ。最初は落ち込んだが、気持ちを切り替えてスーパーサブに徹し、出番に備えている。7日のドミニカ共和国戦でフルセット勝利を呼んだのも途中出場の石井だった。8日のプエルトリコ戦はフル出場で勝利に貢献した。

「ラッキーガールになれるから途中出場もいいかな。でも、ブラジル戦は先発がいいです」。控え選手の充実が日本の強さでもある。主力に疲労が見られる大会のヤマ場で、石井が3次リーグへの道を大きく切り開いた。【小堀泰男】