20日開幕のレスリングの世界選手権(ブダペスト)男子代表が12日、都内の味の素ナショナルトレーニングセンターで練習を公開し、フリースタイル57キロ級で昨年の覇者、高橋侑希(24=ALSOK)は、チャレンジャーの気持ちで連覇に挑む。

世界王者として挑んだ8月のジャカルタ・アジア大会で、まさかの銅メダルに終わり、気持ちを入れ直した。「まだまだ自分は弱い。負けるということは隙があり、完全体ではないということ。挑戦者として楽しみたい」と力を込めた。

敗戦を振り返り、「攻めが足りない」と反省し、オフェンス力を高めてきた。今までは「完璧主義」と話し、自分の間合いでないとタックルに入らなかったりしたが、「美学だけでは勝てない。負けた北朝鮮の選手はより貪欲にやってきた。見習わないといけない」と気合を入れた。

グレコローマンスタイルで、16年リオ五輪59キロ級銀メダルで60キロ級代表の太田忍(24=ALSOK)は、初の世界王者を狙う。昨年は出場さえかなわず、ライバルの文田健一郎(ミキハウス)が頂点に立った。「辞めようかと思ったくらい」(太田)悔しさにまみれたが、今年はアジア王者の称号を引っ提げて世界の舞台に立つ。「東京五輪で金メダルを狙っている。世界選手権の金メダルは最低限の目標」と気持ちを高めた。