女子組手50キロ級で宮原美穂(22=帝京大)が、決勝でスペイン選手を3-2で下して優勝した。

「引いて守っていいことは何ひとつない」と、果敢に前へ出た。相打ちが2度と、接戦をものにし「たくさんの人が見てくれている。いま自分ができることを出した」と、4000人近い観客の声援に応えた。

トラウマを克服した。大学1年の時、中段突きを狙った際に、相手の上段突きで額を割って血を流した。それを機に、中段突きに恐怖感を覚えた。「どこか自分の甘えだったり、苦手なことだからと練習してこなかった」。転機は先月のプレミアリーグドイツ大会。あっけなく上位進出を逃し「このままだったらいけない」と意識が変わった。1カ月、毎日中段突きを反復練習し、この日「1年ぶり」に中段突きで得点した。

来月の世界選手権(11月8~11日、スペイン)へ「2年間の世界選手権は悔しい思いをしたので、理想の攻めで気持ちよく勝ちたい」と意気込んだ。