世界11位の錦織圭(28=日清食品)が、16年2月のメンフィスオープン以来2年8カ月ぶりの優勝に王手をかけた。

同71位のククシュキン(カザフスタン)に6-4、6-3のストレート勝ち。今季3度目の決勝に進むのと同時に、ツアー最終戦ATPツアー・ファイナル(11月11日から・ロンドン)出場への得点を上積みだ。決勝では同8位のケビン・アンダーソン(南アフリカ)と対戦する。メンフィスオープン以降、錦織は決勝で8連敗中。

決勝は、錦織にとって、大事な一戦となる。2年8カ月ぶりの優勝が懸かるだけでなく、ATPツアー・ファイナルへの出場権にも大きな影響を及ぼす。決勝進出で、錦織のレースのポイントは最低でも3210点で9位。10位のイスナー(米国)が3065点で、145点差をつけた。ただ、8位のティエム(オーストリア)は3535点で、まだ325点の差がある。

しかし、優勝すれば話が違う。優勝で錦織のポイントは3410点まで伸びる。10位イスナーに345点差をつけるだけでなく、8位のティエムに125点差に迫る。次週に行われる最終戦前の最後の大会、パリマスターズで、8位を逆転できる圏内に入ることになる。

ただ、アンダーソンには対戦成績で勝ち越すが、決して侮れない相手だ。挑戦者の気持ちで向かっていけるか。8連敗中の決勝で、勝ちたい思いが強すぎると、緊張で硬くなる。今大会のこれまでのプレーができれば、十分にツアー12勝目を勝ち取れるはずだ。