女子団体総合決勝で、日本は合計160・262点で6位となり、3位までに与えられる20年東京オリンピック(五輪)団体の出場権獲得はならなかった。パワハラ問題や、主力の杉原愛子(19=朝日生命ク)が欠場するなどのトラブル続きの中で、エース村上茉愛(22=日体大)らが奮闘したが、力及ばず。出場権確保は、19年大会に持ち越しとなった。

大過失はなく奮闘した。全4種目を村上を中心に、寺本明日香、畠田瞳の3人だけでこなす重圧の中、3種目を終わって3位とは1・735点差。逆転には1人0・5点以上つめなければならない状況で、最後の段違い平行棒にすべてをかけた。しかし、メダルと東京五輪出場権には届かなかった。

8月、東京五輪出場へ向け調整を続ける中、トラブルが女子代表を襲った。代表候補だった宮川紗江(19)が、監督である塚原千恵子強化本部長をパワハラ問題で告発。9月には、代表候補も辞退した。第三者委員会の調査結果が終わるまで塚原氏は職務停止となり、代わりに田中光氏が代行監督に就任した。主将寺本は「キャプテンとしてやるべきことをやるだけ。いつも通り臨む」と毅然(きぜん)とチームをまとめた。

だが、さらに不運が重なった。村上、杉原の主力2人が故障を抱えたままドーハに入った。7月末に右足首靱帯(じんたい)を部分断裂し、全治3カ月と診断された村上は調子を上げてきたが、まだ着地時の痛みは残っていた。現地入りしてから足首をかばい、右すねも痛め、予選の床運動後は足をひきずっていた。

腰痛を抱える杉原は痛み止めや座薬を施したが、状態はあがらず予選、決勝ともに欠場と、得点源の2人が万全でないのは響いた。戦略上から梶田は出場せず。手負いの村上、主将寺本、新星畠田の3人だけで奮闘したが、戦力不足では、目指していたメダルには届かなかった。【高場泉穂】

◆体操の20年東京五輪出場枠 男女ともに98人。団体総合で今年の世界選手権の3位までが獲得する。さらに来年の世界選手権で既に五輪枠を持っている国・地域を除いた上位9チームに与えられ、その他は個人総合や種目別で得られる。団体総合は1チームで4人。個人総合や種目別のW杯シリーズなどの成績上位で個人の出場枠を手にすることもできる。日本は男女ともにいずれも逃した場合、それぞれに個人で1枠の開催国枠がある。