フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦NHK杯が今日9日、広島県立総合体育館で開幕する。8日は公式練習と記者会見が行われ、女子でシニア1年目の紀平梨花(16=関大KFSC)が「完璧な演技を目指して、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決めたい」とニッコリ。日本勢初のGPデビュー戦優勝を目指す。

3回転半が代名詞の浅田真央に憧れ、16年9月の国際大会でその大技を初成功。この日の前日練習でも午前に6本、午後に8本と計14本を決め、失敗は3本と驚異の成功率82%を記録した。シニアデビュー戦のオンドレイ・ネペラ杯(9月)では、合計218・16点と今季世界4位の高得点で優勝し「調子は変わらずいいので、良さを保って頑張りたい」と言葉も力強い。

昨年12月の全日本選手権では、ジュニアながら平昌五輪(ピョンチャン・オリンピック)代表の宮原知子、坂本花織に続く3位に食い込んだ。力を出し切った先には、荒川静香、浅田真央、安藤美姫ら名スケーターたちも成し遂げていない、GPデビュー戦での頂点が視野に入る。1年前のNHK杯はスタンド観戦し「出られることが本当にうれしい」。兵庫・西宮市生まれの新星が、たどり着いた大舞台で輝きを放つ。【松本航】