貫禄勝ちだ。女子団体追い抜きは、日本代表が2分57秒80のリンク新記録で優勝を果たした。金メダルを獲得した平昌五輪(ピョンチャン・オリンピック)の決勝と同じ、高木菜那(26=日本電産サンキョー)、妹美帆(24=日体大助手)、佐藤綾乃(21=高崎健康福祉大)の3人で2位オランダに2秒33の差をつけるなど海外勢を圧倒した。

道産娘3人娘の笑顔がはじけた。昨季は平昌五輪とワールドカップ4戦全勝した女子団体追い抜き。五輪金メダリストとして迎えた地元北海道での開幕戦も勝ちきった。高木美は「1番の目標は勝つことだった」と話し、佐藤は「プレッシャーはあった」と明かす。表彰式では3人とも、一安心した表情を浮かべた。

最終組で登場。五輪決勝と同じく高木美を先頭にスタートした。一糸乱れない隊列は健在で、順調にラップを刻んだ。ラスト1周のコーナーでは、スタートラインが半周違うドイツ勢を追い抜いた。「あんなに近かったのは初めて。ぶつからなくて良かった」と高木菜。9チームで唯一3分を切り、目安の2分57秒台をクリア。それでも「余力が多少あった」(高木美)という完勝だった。

五輪連覇へリスタートを切った。高木美の負担を減らすため、佐藤は昨季より多い1・5周を先頭で滑った。五輪メンバーの1人、菊池彩花さん(31)も引退。新しいメンバーも入り練習する中で、佐藤は「追われる立場。弱音は吐いてられない」。競争しながらお互いを高め、22年北京五輪へと向かう。

シーズンはまだ始まったばかり。日本代表同様に、強豪オランダ勢もメンバーを変更するなど試行錯誤している。佐藤は「(今季の)目標は世界距離別(来年2月、ドイツ)で金メダル。そこを取れれば一番良い」。日本のお家芸の礎を築いていく。【西塚祐司】