今年新設された男子個人総合の大会、スーパーファイナルに協会推薦で出場した高校3年生の三輪哲平(17=大阪・清風高)が合計84・132点で2位に入り、20年東京オリンピック(五輪)の代表候補に名乗りをあげた。

優勝は白井健三(22=日体大)、2位は萱和磨(21=順大)で3人が19年個人総合W杯の出場権を獲得した。

体操界にまた新たなスター候補が生まれた。優勝した白井の後に続いたのは、世界選手権代表ではなく、シニアの個人総合初試合の三輪だった。跳馬では難技ロペスを完璧に決め、鉄棒ではピタリと動かぬ着地で全体2位の14・200点をマーク。代表入りの喜びより、「優勝には足りなかった」と悔しさを淡々と口にした。

地元は静岡市。2020年東京五輪出場のために「いい環境」と、親元を離れ大阪の清風高に入学した。座右の銘は「1日1日を無駄にしないこと」。「1日1日ができれば、次は1本1本。それができれば一技一技。それができれば世界のトップになれれる」。入学からこの夏まで2年半実家に帰らないほど、日々の練習を大事にしてきた。

日本協会の特別強化選手に選ばれ、この大会も協会の推薦で10月に急きょ参戦が決まった。推薦した水鳥寿思強化部長は、1年半後の五輪代表入りは「十分ある」と話し、日本体操に「一筋の光が射した」と新星の活躍に頬を緩めた。