秋田ノーザンハピネッツ(東地区)が堅守で今季2度目の連勝を飾った。第4クオーター(Q)に1度は逆転を許したが、MVPに輝いた白浜僚祐(27)が古巣相手に攻守で奮闘し、3年連続地区Vを狙うシーホース三河(中地区)を64-62で撃破。B1通算10万人の入場者に到達した本拠地CNAアリーナ★あきたで、3250人のブースターに4戦ぶりの勝利を届けた。

残り31秒、大声援の後押しを受け、必死に守った。秋田は第4Q、ジャスティン・キーナン(30)がゴール下から21得点目のシュートを押し込んで64-62と勝ち越し。B1トップの3ポイント(P)成功率(39・6%)を誇る三河は残り11秒でサザランドが、残り1秒で松井も3Pに失敗。秋田は体を寄せて守り、薄氷を踏む勝利をつかんだ。

古巣撃破に燃えた男が攻守で起点になった。白浜がルーズボールに飛び込み、守備では日本代表のガード金丸晃輔(29)を無得点に封じ込めた。8得点、3リバウンドと傑出した成績ではないが、第4Qの6分過ぎに貴重な3Pを決めるなど、献身的な働きでMVPを獲得。「気持ちが空回りするか心配したけど、いい緊張感の中でプレーできた。後半はめちゃくちゃ気持ち良かった」と充実感をにじませた。

大学卒業後、最初の3季は三河でプレー。出場機会を求め、Bリーグ元年に秋田へ移籍した。「懐かしいというか、ふんわりした気持ち」と再会を喜びながらも、試合になれば「成長したと思ってもらいたい」と全力プレー。活躍に脱帽した三河の応援席からも「白浜コール」が起こった。

ペップ・ヘッドコーチ(49)は勝因に「チームの成長」を挙げた。最近5試合は名古屋ダイヤモンドドルフィンズ、新潟アルビレックスBBの首位勢相手を含めて3勝2敗と上り調子。4試合で60失点台と守備が安定し、B1で戦うスタイルを確立しつつある。白浜は「3000人がディフェンダーだった。僕らと一緒に守ってくれた」と、観客席をクレージーピンクに染めたブースターに感謝した。【中島正好】