男子500メートルは、新浜立也(22=高崎健康福祉大、別海町出身)が35秒20で制し、ワールドカップ(W杯)初勝利を挙げた前日に続き2連勝を飾った。同種目の日本勢2連勝は06年12月の長島圭一郎以来、12季ぶりの快挙。

183センチスプリンターの進撃が止まらない。前日23日の男子500メートルで優勝した新浜がこの日も勝利をつかんだ。「本当にビックリした」。最終組で滑り終えて、タイムを確認。優勝がわかると目を見開いた。コーチ陣のところへ戻ると、派手なガッツポーズはせずに、控えめに抱き合って喜んだ。

レースは前日よりも約2時間遅く始まった。屋外リンクの氷の温度は3・8度低い、氷点下7度。前日よりも硬く多くの選手がタイムを伸ばした。2位だったビクトル・ムシュタコフ(ロシア)は前日の優勝タイムとほぼ同じ。新浜は「絶対勝たないといけない」とギアが入った。思い切ってスタートした後は、残っていた良い感覚のまま滑った。同走は羽賀亮平(30=日本電産サンキョー)で「よくしてもらってる先輩。勝ったら気まずくなるんじゃないかな」。そんな複雑な思いも頭に残しながら、ゴールに飛び込んだ。

目指すのは“男版小平”だ。平昌五輪(ピョンチャン・オリンピック)女子500メートル金メダルの小平奈緒(32=相沢病院)はこの日、同種目で国内外33連勝を達成した。「どんな状況でも優勝する。そんな選手にいずれはなりたい」。同じ短距離のステージで戦い厳しさを知る。それだけに2年間無敗の存在には憧れている。

男子500メートルの日本勢2連勝は長島以来、12季ぶり。今季からW杯デビューしたがもはや男子短距離のエースと言っても良い。22年北京五輪の初出場に向けて地元・北海道で最高のスタートを切ったが、まだ始まったばかり。「1戦1戦、日本のトップ選手として活躍していきたい」。五輪明けに誕生した新星は、一発屋で終わるつもりはさらさらない。【西塚祐司】