日本スケート連盟は29日、フィギュアスケート男子で五輪2連覇中の羽生結弦(23=ANA)が出場権を持つグランプリ(GP)ファイナル(12月6日開幕、カナダ・バンクーバー)を欠場すると発表した。

GP第5戦ロシア杯(モスクワ)のフリー前の公式練習で右足を痛め「右足関節外側靱帯(じんたい)損傷」「三角靱帯(じんたい)損傷」「右腓骨(ひこつ)筋腱(けん)部損傷」の診断を受けていた。11月17日の受傷後3週間の安静固定、その後のリハビリに約1カ月を要す見込みであることから、欠場を決めた。

2月の平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)で金メダルを獲得した羽生は、今季GP初戦の第3戦フィンランド大会(ヘルシンキ)で優勝。続くロシア杯でもショートプログラム(SP)の今季世界最高を更新する110・53点で首位発進したが、フリーを控えた練習の際に4回転ループで転倒した。右足首を負傷。痛みを抱えてフリーを滑ったが、一夜明けての表彰式では衣装にスニーカーを履き、松葉づえ姿で表彰台に立っていた。

その際には日本連盟を通じて「気持ちはファイナルに向け、全力で治療します」とコメント。だが、GPファイナルだけでなく、世界選手権(19年3月、埼玉)の最終選考会である全日本選手権(12月21日開幕、大阪)も診断によるリハビリ期間と重なることとなった。

11月19日に行われた同連盟理事会後には、橋本聖子会長が「本人が一番いいようにできる環境を整えるだけ」とコメント。伊東秀仁フィギュア委員長は「(全日本選手権に)出なければその時に考える」としながらも「世界選手権を目指してやってほしい」と語っていた。

羽生はGPファイナルにおいて、13~14年シーズンから4連覇。昨季はNHK杯前の公式練習における負傷で、出場を逃していた。