関学大が、キッカー安藤亘祐(3年)のサヨナラFGで3年連続52度目の甲子園ボウル出場を決めた。

甲子園ボウル出場を懸けた大一番は劇的な幕切れとなった。関学大はリーグ優勝を決めた2週間前の試合と打って変わって、第1クオーター(Q)に立命大に先制を許す苦しい展開。3点差で迎えた第2Q、同点に追いつこうと、安藤が45ヤードのFGを試みるも枠外へ外れる。「このミスで流れ悪くしてしまった。自分のキックのせいで負けるんじゃないか」。自らのミスに下を向いた安藤だが、試合終盤に大勝負が待ち受けていた。

関学大は最大13点差をつけられるものの、必死の攻めで最終Q8分16秒にはTDを奪って17-19の2点差に迫った。そして迎えた最終Q終了約2分前。QB奥野耕世(2年)のパスを起点に相手エンドゾーンに迫り、時計は終了2秒前。最後の1プレーは安藤のFGに託された。「どの場面、どの距離でも常に一緒のように蹴ると鳥内監督に言われ続けてきた」。指揮官の教えを胸に、24ヤードから無心で蹴った球はポール内を通過。FGの3点が加わり逆転し、安藤が喜びを爆発させると同時に試合終了の合図が鳴った。

試合後、目を赤くした安藤は「ちょっとだけ左にそれてミスキックだったんですけど。ほっとしました」と笑った。「自分の力というより、オフェンスがしっかり進んでくれた結果です」と謙遜しながらも、歓喜の渦の中心でチームメートに囲まれた。

この勝利で甲子園ボウル進出を決めた関学大は、16日に東日本代表校の早大と学生日本一の座を争う。昨年の甲子園ボウルでは日大に17-23で敗れ、関西勢として11年ぶりの黒星を喫した。その悔しさを知る主将のQB光藤航哉(4年)は「去年、日大に負けたところから4年生は始まった。あそこが原点。立命大の分も背負って去年の借りを返す」と雪辱の舞台に闘志を燃やしている。