バスケットボールB2仙台89ERSの新戦力、俊野達彦(30)が3日、仙台市のHALEOドームで行われた全体練習に正式参加し、軽快な動きを披露した。シーズン途中の11月30日、新天地での出場機会を求め、主将を任されていたB1秋田ノーザンハピネッツから電撃レンタル移籍。仙台で初のリーグ戦出場に意欲を燃やした。

B1復帰を狙う仙台の新戦力が本格始動した。俊野は2日間の休養明けになった12月のチーム初練習に合流。ハーフコートの5対5や実戦形式で攻守の連係を確認し合った。「新しいチャンスをいただけた。チームのシステムやコンセプトをしっかりと理解して貢献したい」と新天地での活躍を誓った。

ガードやスモールフォワードなど複数ポジションをこなす。相手ディフェンスをドリブルで切り裂くドライブ攻撃が武器。だが今季移籍した秋田では出場10試合(先発1試合)にとどまり、11月4日を最後に出場なし。出場機会を求めて直訴した。月野雅人主将(30)ら主力2人の故障を抱えていた仙台の苦しい台所事情とも重なり、レンタル移籍が実現した。俊野をbjリーグ時代から知る桶谷大ヘッドコーチ(HC、40)は「最後の攻撃でアドバンテージをもたらしてくれる日本人では数少ない選手。システムの理解度を上げてほしい」とゴール下でファウルを誘い、フリースローにつなげる俊野の動きに期待する。

背番号は秋田の「33」から「3」に変わった。子供時代に影響を受けた祖父孝俊さん(故人)が企業チームの東レで背負っていた思い入れの深い番号だ。昨季までB2愛媛オレンジバイキングスで一緒だった弟佳彦(26)は今季B2熊本ヴォルターズに在籍。8、9日の島根スサノオマジック戦、12日の青森ワッツ戦と続くアウェー戦後は、ホームで熊本を迎え撃つ。俊野は「めちゃ楽しみ」と兄弟マッチアップを心待ちにする。桶谷HCは「木曜(6日)の練習を見てから決めたい。チャンスはある」と、島根戦からベンチ入りの可能性を示唆した。【佐々木雄高】

◆俊野達彦(としの・たつひこ)1988年(昭63)1月18日、愛媛・松山市出身。新田ではウインターカップに3年連続、全国高校総体は同2年から連続出場。大商大卒業後は会社員を経て11年9月、社会人クラブチームの千葉エクスドリームス入り。12年bjリーグのドラフト2巡目で群馬クレインサンダーズ入団。以後、信州ブレイブウォリアーズ、愛媛を経て、今季から秋田移籍。15~16年にbjリーグMIP受賞。ポジションはガード。独身。185センチ、80キロ。