2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの聖火台を大会期間中、お台場にあるセンタープロムナード(江東区)に設置する方向で最終調整していることが5日、複数の関係者への取材で分かった。今月中旬にも大会組織委員会、政府、東京都などのトップが集まる調整会議を開催し、国際オリンピック委員会(IOC)に報告する案を決定する。

<解説>

7月に聖火台の設置場所を巡り、調整会議が開かれ組織委、政府、都の3者が協議する検討委員会を設置した。組織委の武藤敏郎事務総長は当時から、開閉会式以外は新国立内部に聖火台を置くスペースがないとし、外部に設置する可能性が高いと説明していた。

設置場所は新国立周辺や、それ以外の都内で検討された。神宮外苑は、主会場となる新国立があり、そこに聖火台を置けば、人が集まりすぎることが懸念され、難しいと判断した。

それ以外では、複数の公園などが候補として挙がった。都心部にある日比谷公園もその1つ。豊洲市場に隣接した豊洲ふ頭の西端にある「ぐるり公園」は、晴海の選手村からも見え、目の前にレインボーブリッジがあることから景観的に、候補に挙がっていた。

3者で協議する一方、五輪放送サービス(OBS)の意見も聴取。聖火は大会の象徴となるため、映像的に映える必要があるためだ。3~5日に都内で行われたIOC調整委員会でもOBSとの調整を行った。聖火台は現在、狂言師・野村萬斎をトップとする開閉会式の演出家チームがデザインを制作している。