【バンクーバー(カナダ)5日(日本時間6日)=松本航】フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルが今日6日(同7日)、バンクーバーで開幕する。女子は紀平梨花(16=関大KFSC)が本番会場で前日練習に臨み、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を11本中8本成功。平昌五輪(ピョンチャン・オリンピック)金メダルのザギトワ(ロシア)同4位宮原知子(関大)同6位坂本花織(シスメックス)らと競演し、05年浅田真央以来、日本女子13年ぶりとなるシニア1年目の頂点を目指す。

世界の選ばれし者が立ったリンク。ショートプログラム(SP)に向けた40分間の公式練習で、紀平のSP「月の光」は6人の最初に流れた。慣らし程度に2回転半を1本跳び、臨んだ“リハーサル”。冒頭で3回転半をいきなり決めると、ジャンプ3つを全て成功させ「調子はいい。氷は少し軟らかいので、明日の朝(練習)でしっかり調整したい」と穏やかに笑った。

会場こそ違えど、10年に五輪が行われたバンクーバー開催。憧れの浅田真央さんが銀メダルを獲得する姿を、小学校から帰った当時7歳の紀平はニュースで見つめた。あれから8年。横を見れば五輪金メダリストのザギトワらが、次々にジャンプを決めている。「メンバーは元々分かっていたので、焦ることもなく、思った通りの練習ができた」。3回転半は72%の成功率を誇り、慌てた様子はない。

シニア1年目で優勝となれば、13年ぶりの快挙だが「ファイナルでしっかりと成績を残したいとずっと考え、調子をよく保っていた」と過度の意識を封印。ロシア3人、日本3人の顔ぶれに坂本は「打倒ロシアで頑張りたい」。宮原も「思い切っていきたい」。日本の先陣を切る3番滑走の紀平が、その風穴をあける。