日本医師会と東京都医師会が7日、都庁で小池百合子知事と面会し、20年東京五輪の競歩について、コース上に天幕を張り、暑さ対策を講じるよう提案した。

マラソンを午前6時、競歩を同5時30分号砲として大会組織委員会が、国際陸上競技連盟と最終調整を行っていることについて一定の評価はした。ただ、競歩は競技時間が4時間にもなることから、暑さが危険な時間帯に突入するとし、天幕の設置を提言。

中京大の松本孝明教授は、現在、整備中の遮熱舗装は効果が薄いとし、「棒を立てて天幕を張れば、低コストで効果的な温度低下効果がある。皇居前のコース1キロに天幕が張ってあるのをヘリから見れば、東京はしっかりとした暑さ対策を取ったというレガシーを世界にアピールできる」と力説した。

小池知事は天幕について「(レガシーになるとは)納得しかねます。天蓋(てんがい)は実現性がなかなか厳しいと思います」と厳しく意見を述べた。五輪中継や、大会経費の問題を考慮したものとみられる。

一方、暑さ対策全般については「全庁を挙げて検討を重ねている。すでに予算を計上して、ローテクからハイテクまで検討している。選手、観客、役員が体調を崩さないように何が出来るのか解決策を考えたい」と述べた。

パラリンピックのマラソンについても、東京都医師会の尾崎治夫会長は「障がい者の方は体温調節が難しい部分もある」と対策を講じる必要があるとした。