ショートプログラム(SP)首位発進の紀平梨花(16=関大KFSC)がフリーもトップの150・61点を記録し、合計233・12点で初優勝を飾った。05年浅田真央以来となる、GPデビューシーズンでのファイナル制覇を達成。SP2位でピョンチャン・オリンピック(平昌五輪)金メダルのザギトワ(ロシア)は、226・53点で2位となった。

紀平は2位ザギトワとの4・58点差(SP終了時)をさらに広げた。フリー4番滑走だったザギトワは、高難度のルッツ-ループの連続3回転ジャンプで、後半のループが1回転になるミス。最終6番滑走の紀平が冒頭のトリプルアクセル(3回転半)以外のジャンプをきっちりとまとめ、演技構成点も5項目中4項目が9点台(10点満点)を記録し、同い年のザギトワを上回った。

シニア転向はザギトワが1年早く、2人の直接対決はジュニア時代の16年に2度。結果は1勝1敗で、シニアでは初めて同じ舞台で競演した。紀平は試合後、五輪女王への思いをこう語った。

「もっといい点数をザギトワ選手も出せたことがあると思うので、今は自分の実力を点数に表すことができたのがうれしい。ザギトワ選手も、あまり自分の中ではいい点数じゃなかったと思うので、これからもっといい演技をしてくると思う。その中でも、どんな緊張感の中でも、ショート(SP)、フリーと(好演技を)そろえることが大事。今は本当に優勝できてうれしい気持ちがあって、まだまだミスも出てしまったので、もっと6分間(練習)で合わせられるようにしないといけないです」。

今後は19年3月の世界選手権(埼玉)で、再び顔を合わす可能性がある。