日本体操協会は10日、都内で臨時理事会を開き、リオデジャネイロオリンピック女子代表の宮川紗江選手(19=高須クリニック)へのパワハラ行為が認められなかったとして、塚原光男副会長(70)と塚原千恵子女子強化本部長(71)に科していた一時職務停止を解除したと発表した。問題を調査した第三者委員会は、塚原夫妻に不適切な点が多々あったと指摘したが、パワハラの事実は認定せず、処分に至らなかった。

塚原夫妻に関し、日本協会は今後の懲罰処分の可能性は残した。パワハラ認定はされなかったが、騒動における言動を問題視。なぜ問題が起きたのかについてを中心に調査するために設立する「特別調査委員会」で、協会を通さずに報道に応えたり発信した行為などが、倫理規定、行動規範に抵触するか検討する。対象には、同様に会見などを協会を介さないで行った宮川選手も含まれる。

同時に第三者委員会からの7つの提言を検討する「提言事項検討委員会」も設ける。協会ウェブサイトに掲載した調査報告書(要約版)では、43ページのうち36ページ以降を「ガバナンス上の問題点と提言」に割いている。宮川選手が会見せざるを得なかった協会への信頼感のなさなど組織の機能不全も指摘。コンプライアンス(法令順守)の確立などを求めたことを受け、改革に動く。