日本体操協会の塚原光男副会長(70)と塚原千恵子女子強化本部長(71)による、リオデジャネイロ・オリンピック女子代表の宮川紗江選手(19=高須クリニック)へのパワハラが認められないと結論づけた第三者委員会側が11日、取材に応じた。キーポイントは「パワハラの定義」。塚原夫妻には不適切な点はあったが、違法性や懲罰などの対象になる行為はなく、宮川選手の受け取り方は定義外となった。

都内の日本協会の事務所にはこの日、多くの電話が寄せられた。多くはなぜパワハラが認定されなかったのか疑問の声で、職員が説明する姿があった。一時職務停止処分が解除された塚原夫妻の姿は見られなかった。21日に常務理事会が行われるが、関係者は「出席されるかは分かりません」とした。

◆体操パワハラ問題経過

8月15日 宮川紗江選手に暴力を振るった速見佑斗コーチに対し、日本体操協会が無期限登録抹消などの処分を発表

29日 宮川選手が記者会見し、速見コーチからの暴力はパワハラと感じていないと説明。塚原千恵子女子強化本部長と塚原光男副会長からパワハラを受けていたと主張

30日 協会が第三者委員会の設置を決定

31日 速見コーチが指導者としての地位保全を求める仮処分の申し立てを取り下げ、処分を受け入れる考えを表明

同 塚原夫妻が文書で宮川選手の主張の一部を否定。不適切な言動や落ち度が一部であったことは認める

9月5日 速見コーチが謝罪会見

10日 協会は第三者委の調査結果を受け、理事会の判断が出るまで塚原夫妻を一時職務停止に

12月10日 第三者委はパワハラ行為を認定せず、協会が臨時理事会で塚原夫妻の一時職務停止を解除