女子では、小林諭果(ゆか、24=CHINTAI、盛岡中央高出身)が鮮やかな逆転勝利だ。1回目は踏み切りのタイミングが遅れて89メートルとK点(90メートル)に届かなかった。修正して臨んだ2回目は向かい風を受け、後半に飛距離を伸ばして最長不倒の94メートル。3位からの巻き返しに「強気にいって、後ろの2人にプレッシャーをかけることができた」と笑顔で振り返った。

岩手が生んだジャンプ4きょうだいだ。兄潤志郎(27=雪印メグミルク)弟陵侑(22=土屋ホーム)はともに平昌五輪(ピョンチャン・オリンピック)代表で、その下の弟龍尚(盛岡中央2年)はジュニア世代で奮闘している。陵侑は今季ワールドカップ(W杯)で初勝利を挙げ、個人総合首位とブレークしている。「すごい活躍。自分は家族として、一ファンとして応援してるし、姉ちゃんも頑張らないとと思っている」。普段は連絡をすることは少なく「恥ずかしいので(勝利の)報告はしないですね」と照れ笑いだった。

昨年、早大を卒業後にCHINTAIに所属した。今季は初めてチームで約2週間のフィンランド合宿。22年北京五輪に向け、競技に集中できる環境に感謝する。今後、まずは初のW杯代表入りを目指し、狙うは4きょうだいで五輪出場だ。「今度の五輪は応援じゃなくて自分も出たい」と声を弾ませた。【西塚祐司】