世界ランキング上位者で争う柔道のマスターズ大会で女子78キロ超級で優勝した素根輝(18=福岡・南筑高)が17日、大会が行われた中国・広州から帰国した。11月のグランドスラム大阪大会決勝で敗れた、12年ロンドン五輪女王のオルティス(キューバ)を決勝で破っての優勝。「この前は何もできずに終わった。今回はちょっと相手をいなしたり動かしたりして先に攻めるというのを頭に入れてやれた」と笑顔を見せた。

短い期間で雪辱出来たのは、兄の勝さんのおかげだ。地元の福岡県久留米市には練習相手が少なく、柔道整復師の資格を持つ勝さんが付き人として支えている。連日、高校の部活や自主練習に付き合って組み合う他、アドバイスもくれるという。今回もオルティスに負けた後に、勝さんと対策を練った。「(技を)かけてつぶれる時に押し倒してポイントを取るから注意というのと、足技を使って前に出続けろと言われました。何が何でも勝つという気持ちでいきました」とアドバイス内容を明かした。

日本女子の増地克之監督は「グランドスラム大阪での負けがいい薬になった。来年の世界選手権代表になんとしてでもなるんだという気迫が伝わった」と評価した。