1972年ミュンヘン・オリンピック(五輪)柔道男子中量級金メダリストの関根忍(せきね・しのぶ)さんが18日午前4時9分、前立腺がんのため東京・文京区の順天堂医院で死去した。75歳。葬儀・告別式は26日午前10時から東京都台東区西浅草1の5の5、東本願寺慈光殿で。喪主は妻通子(みちこ)さん。

茨城・那珂湊一高(現那珂湊高)から中大に進み、警視庁などで活躍。中量級(80キロ以下)ながら72年に体重無差別の全日本選手権で優勝した。中量級での日本一は、現在も64年東京五輪金メダルの岡野功氏と2人だけ。同い年のライバル岡野氏と同じように、全日本後の五輪を制した。

引退後は指導者としても活躍。参加を辞退した80年モスクワ五輪、84年ロサンゼルス五輪では日本代表のコーチを務めた。全日本柔道連盟理事、評議員を歴任し、現在は東京都柔道連盟会長を務めていた。

訃報を聞いた全日本柔道連盟の山下泰裕会長は「私の時の代表コーチ。厳しくもユーモアのある指導だった。つい2週間ほど前にお会いし、全柔連と都柔連の協力関係について話したばかりだった。その時はお元気だったのに、本当に残念です」と話した。