スケートボード・ストリート女子のエース、西村碧莉(あおり、17)が、卓球やフィギュアスケートのトップ選手が所属する「木下グループ」と所属契約を結んだ。1月1日から契約する西村は10日開幕の第1回世界選手権に木下グループ所属として出場。Xゲーム優勝や世界最高峰のストリートリーグ(SLS)での活躍が評価されて12日の準決勝から登場する。

2020年東京五輪で初採用されるスケートボードの金メダル候補が、力強いバックアップを得た。「木下グループ」には、卓球の水谷隼(29)や張本智和(15)、フィギュアスケートの宮原知子(20)、サーフィンの五十嵐カノア(21)ら世界のトップ選手が所属。西村も「世界での活躍」が期待されての契約だった。

若者人気から注目度も高いスケートボード。西村とともに姉の詩音(ことね、20)、パーク世界選手権2位でXゲーム優勝経験もある中村貴咲(きさ、18)も所属契約を結んだ。すでに東京五輪でのスケートボード挑戦を表明し、米国でトレーニングを積んでいるスノーボード五輪銀メダリストの平野歩夢(20)も木下グループに所属する。

競技の注目度と将来性に期待しての契約で、将来的には自社でスケートパークを持つ構想も浮上しているという。20年東京五輪では卓球やサーフィンなどとともに、同社所属選手からスケートボードのメダリストが誕生する可能性もある。

西村はメダル候補として世界選手権で東京五輪へのスタートを切る。五輪代表は、主要大会の順位に応じた「五輪ポイント」を積み重ねる必要がある。最初の対象試合となるのが、この世界選手権。6日にリオデジャネイロに出発した時には「世界のトップが集まる中、自分の滑りをして頑張ります」と話していた。獲得ポイントの大きい世界選手権で上位に入れば、一気に東京五輪が近づく。

大会は10日の男女予選でスタート。昨年5月の日本選手権男女2位までの4人と同11月のタンパアマ優勝でSLSから招待された池田大亮(18)が登場する。池田は6日の出発時に入国ビザの書類不備で足止めを食ったが、他の選手より1日遅れて現地入り。「上位に入って、まずSLSの全戦出場権を手にしたい」と意気込む。今季SLS3戦3勝で世界の頂点に君臨する堀米雄斗(20)は13日の決勝から登場。スケートボードの五輪代表争いが、いよいよ始まる。