柔道の18年世界選手権女子63キロ級銀メダルの田代未来(24)が、20年東京オリンピック(五輪)に向けて「変革」に取り組む。

15日、約1週間のオーストリア合宿から羽田空港に帰国し、19年のテーマを「組み手の徹底」と掲げた。試合で常に冷静な組み手をするためにマインドコントロールを重要とし、空き時間を利用して読書に挑戦しているという。「東京五輪に向けて『何かを変える』必要がある。昨年は、勝負に急いでしまうことが多く、それを改善するために(読書を通じて)自分自身と向き合うことが大切と考えた。これまであまり取り組んでこなかったことにも挑戦して、多角的な視点を持って柔道につなげたい」。

今合宿は、女子57キロ級世界女王の芳田司(23=ともにコマツ)と参加。世界各国から男女約1000人のトップ選手が集い、特に“天敵”のアグベニュー(フランス)との乱取りが印象的だったという。「たくさんの強豪選手と組めて充実した内容だった。アグベニュー選手とは探り合い程度だったけど、自分が『ガッ』と攻めると、『グッ』と力を入れてきて一番楽しい稽古だった」。

今年は、2月のグランドスラム・デュッセルドルフ大会(ドイツ)、4月の全日本選抜体重別選手権(兼19年世界選手権最終選考)と続く。「それらで勝ちきれないと次はない。やるべきことに集中して、やるだけ」と前を向いた。