前回優勝の伊藤美誠(18=スターツ)森薗政崇(23=岡山)組が連覇を果たした。張本智和(15)長崎美柚(16=ともにエリートアカデミー)組を3-1で下した。伊藤は女子史上初となる2年連続の3冠(シングルス、女子ダブルス、混合ダブルス)に向け、まず1冠となった。

メインスタンド前の5番コート。東京五輪で金メダルを狙う男女のエースが激突し、会場の注目を集めた。第1ゲーム。伊藤、森薗組は5連続得点を挙げるなどし、先手を取る。第2ゲームは昨年12月、ワールドツアー・グランドファイナルで最年少世界王者になった張本にスマッシュで数多く得点を奪われ、ゲームを失った。

1-1で迎えた第3ゲームが鍵になった。先にゲームポイントを取ったのは張本、長崎組。張本が「あそこで取れなかった…。相手のメンタルが上だった」と悔やむように、伊藤、森薗組はそこから3連続得点でジュースを制した。

伊藤は「ずっと張本くんと対戦してみたかった。中国の男子選手の球を普通に返している張本くんの球を受けてみたかった」と対戦を望み、そして勝った。

男子の世界王者と対戦した感想について「試合でも練習でも戦わない。やってみてすごく頭が良い選手だと思った。先々を考えて試合運びをしている。球もすごいパワーがあった。いつかまた対戦したい」と笑顔で語った。

そのコメントを真後ろで、聞いていた張本に笑顔はない。伊藤の球筋について「世界大会で中国選手に勝つ選手。受けてみて強かったし、(自分が)ノータッチの球もあった。男子ダブルスと戦っている感じだった」とたたえた。