日本オリンピック委員会(JOC)が25日、都内でインテグリティ教育事業の一環として「ナショナルコーチ等・専任コーチ等向けプログラム」を開催、各競技団体の指導者60名が参加した。

第3回となる今回のテーマは「ハラスメント」。スポーツ界にも精通している柳田忍弁護士を講師に招き、アメフット界やレスリング界など不祥事に揺れた昨年の例を挙げながらセクハラ・パワハラなどのハラスメントに対する講義を受けた。

柳田氏は「自分に意志がなくても、相手が同意していても行き過ぎた行為はセクハラやパワハラになり得る。なくすためには、相手に対する敬意や尊重が大事」と対策を述べた。

その後、講義の内容を受け、各グループに分かれてディスカッションを行い、それぞれの競技での現状を話し合って発表。全員で共有することで再発防止を誓い合った。

JOC選手強化本部長の山下泰裕氏(61)は最後に「6年前に日本柔道界も大きな不祥事があった。対応のまずさもあって、スポーツ界最大の危機だと言われた。素晴らしい選手や指導者もたくさんいる。ほんの一部の選手や指導者の振る舞いで同じように思われるのは悔しい。日の丸を付けるにふさわしい自覚を持った選手や指導者になっていかなければならない」と自身の経験をふまえながら、指導者たちに熱く念を押した。