大坂の祖父が暮らす北海道根室市も“なおみフィーバー”に沸いた。母方の祖父・鉄夫さん(74=根室漁協組合組合長)は26日、根室市内の自宅でテレビ観戦。当初は試合途中に根室市役所へ移動し、石垣雅敏市長(68)らとともにPVの予定だったが、白熱する試合展開に自宅を出るタイミングがつかめず、テレビ画面にくぎ付けで声援を送った。

大坂の祖父・鉄夫さんは、顔を赤く染めながら市長室に現れた。孫の快挙から約15分後。根室市の石垣市長に握手で出迎えられ、用意された会見場でも相好が崩れっぱなし。「興奮していて、あんまり現実感がない。血圧が上がったよ。おめでとう、よくやったと伝えたい」と喜んだ。

当初は試合途中に自宅から市役所へ移動し、市長らとともに観戦する予定だった。だが手に汗握る展開に、腰を上げることができなくなった。PVの会場では、最後まで鉄夫さん不在のまま「バンザイ!」コールがこだました。鉄夫さんは「市長たちに『悪いな』とは思ったんだけど、動きたいけど動けなかった」と苦笑い。「いやー、すいませんね」と照れた。

鉄夫さんは孫娘のプレッシャーとならないよう、試合前は連絡を取らなかった。「甘えん坊で弱いところもあるが、大舞台で、ふてくされながらも、よくやった」とたたえた。準決勝進出を決めた23日には、テレビのインタビューで「おじいちゃん、お誕生日おめでとう」と祝福のメッセージを送られた。「なでてあげたいと思うほど、かわいかった」と感激していた。

昨年9月の全米オープン優勝後には、使用したラケットや着用ウエアを、鉄夫さんを通して同市に贈呈している。根室商工会議所の山本連治郎会頭も「後援会をつくらなきゃね」。今後も同市全体でバックアップしていきたい考えだ。

今日27日には市役所に垂れ幕も掲げられる予定。大坂自身は、今秋の東レ・パンパシフィック・オープンの際に、初訪問するつもりだという。鉄夫さんは「涙がでそう。誇りに思う。1度(根室に)連れてきたいね」と話した。【浅水友輝】