女子バスケットボール、Wリーグ新潟BBラビッツは2、3日、三菱電機と高知・春野総合運動公園体育館で対戦する。

香川県出身のF井上愛(29)とF中山樹(22)にとっては、地元四国での凱旋(がいせん)試合。2人の母校・英明高(香川)の後輩部員が2試合とも応援に訪れる。チームは年明けから4連敗を喫し、最下位の12位。上位8チームで行うプレーオフ進出の可能性はなくなったが気持ちを込めた試合で故郷のファンを喜ばせる。

井上は笑顔を見せながらも緊張感をのぞかせた。「もしかしたら、今季一番プレッシャーを感じているかも」。英明高の後輩部員、友人ら40人が香川から泊まり込みで試合会場の高知にやってくる。父晃さん(62)は英明高の監督で高校時代の師。姉の塩入望さん(32)は父の下で現在コーチを務めている。「下手な試合はできない」。家族であり指導者の2人の視線は意識する。

四国での試合は16年10月に香川・丸亀市でデンソーと対戦して以来。当時は観客のほとんどが新潟の応援だった。今回も大声援の後押しがある。

新潟は昨年12月の山梨戦で今季初勝利を挙げたものの、その後は4連敗。最下位に沈んだままだ。三菱電機は4位につける強敵。「全員で泥くさく戦う。全力でぶつかる」と気持ちの勝負を挑む。井上自身は「リバウンドとルーズボールにあきらめずに飛び込む」。晃さんに徹底して教え込まれたプレーだ。

英明高1年の四国新人戦決勝で聖カタリナ学園(愛媛)を破って優勝した。その会場が今回と同じ春野総合運動公園体育館。晃さんは、高知・いの町出身。高知には故郷香川と同じ愛着がある。「何もできずに終わった、という試合だけは絶対にしない」。今季最大のプレッシャーを今季最高のモチベーションに変える。【斎藤慎一郎】