柔道の世界ランキング上位者で争う「マスターズ大会」女子78キロ超級金メダルの素根輝(そね・あきら、18=福岡・南筑高)が6日、高校生活の悩みを打ち明けた。

グランドスラム(GS)パリ大会に出場するため、一部の日本代表と羽田空港を出発。搭乗前に取材に応じた素根は、高校3年間の思い出について問われると「遠征や合宿ばかりで柔道しかやっていない。(柔道では)いろんな試合に出場させてもらって、思い出というか、負けて学ぶことがたくさんあって、少しは成長出来たかと思う」と“柔道漬け”の日々だったことを思い返して苦笑いした。高1の時に体育祭に参加しただけで、それ以降は行事に参加出来なかった。高2の修学旅行は、東京と福島に行く予定だったがGS東京大会と重なったという。

3年間で大きく成長した。昨年4月の選抜体重別選手権、全日本女子選手権ともに世界女王の朝比奈沙羅(22=パーク24)を下して優勝。同12月のマスターズ大会では、12年ロンドン五輪金メダルのオルティス(キューバ)に勝利し、オール一本勝ちで金メダルを獲得した。20年東京五輪の代表争いでは、素根と朝比奈の「2強時代」が続いている。

3月1日の卒業式に出席後、今春から環太平洋大へ進学するため拠点を岡山に移す。92年バルセロナ五輪男子71キロ級金メダルで同大の総監督を務める古賀稔彦氏から指導を受ける。今大会は高校生活最後の試合となり「良い締めくくりになるように頑張る。やることはやってきたから、あとは試合で実践するだけ」と気合を入れた。【峯岸佑樹】