女子テニスの国別対抗戦フェド杯ワールドグループ2部1回戦、日本－スペインが北九州市で9日から行われる。日本はシングルスのNO・1に世界121位の土居美咲（27＝ミキハウス）、NO・2に同123位の日比野菜緒（24＝ブラス）を起用した。世界1位の大坂なおみ（21）は個人戦を優先し、今回の代表には選ばれてない。

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女子テニスは、昨年9月の全米に続き、今年1月の全豪で大坂なおみ（21＝日清食品）が4大大会連続優勝。アジア勢初の世界1位に輝くなど、国内外で大坂ブームが巻き起こった。しかし、その快挙の影に隠れ、苦戦を強いられていたのが、ほかの日本女子だった。

今年の全豪シングルスで、日本女子が予選を経ず、世界ランキングで本戦に入ったのは、大坂ただ1人だ。4人が予選から出場したが、予選3試合を勝ち上がり、本戦入りしたのは土居美咲（27＝ミキハウス）だけ。もし、土居が予選を勝ち上がらなければ、全豪に出場できた日本女子は大坂だけだったことになる。

世界ランキングで4大大会のシングルス本戦に入れたのが1人だけというのは、00年ウィンブルドン以来19年ぶりのことである。もし土居が本戦入りしていなければ、00年全仏以来の日本女子ただ1人という残念な結果となっていた。

そこには、日本を引っ張ってきた土居、奈良くるみ（27＝安藤証券）、日比野菜緒（24＝ブラス）の3人が、そろって17年頃にトップ100から落ちてしまったことが原因にある。土居は自己最高30位、奈良は同32位、日比野は同56位にまで浮上した経験を持つ。3人はシングルスのツアー優勝も成し遂げた。現在は、土居が121位、日比野が123位、奈良が156位だ。

奈良は14年2月のリオオープンでツアー初優勝。同8月のシティ・オープンでも準優勝した。大坂の身長180センチに対し、奈良は155・5センチ。24・5センチも背が低い。ただ「（身体的に劣っていても）技術、フィジカル、気持ちが一致していた」と、14年頃を回想する。

経験も積み「今の方が技術的には、あの頃よりも、テニスはうまくなっている」。ただ、周りのレベルも急速に上がっており、なかなか勝てなくなった。奈良は「勝っていくことが、何よりも気持ちが強くなっていく」タイプ。小柄な体で、以前より気持ちの面で自信が持てなくなると、結果が出ず、また自信を失う悪循環にはまった。

16年4月から5月にかけて、約1カ月ほど、全くテニスから離れた。犬と一緒に家から1歩も出ず、料理にも挑戦してみた。同期だった土居も、昨年328位にまで世界ランキングを落とし、引退が頭をよぎったという。日比野を含む3人が苦悩する中、突然異次元から現れたのが大坂だった。（つづく）