ショートプログラム(SP)2位発進の坂本花織(18=シスメックス)が涙の4位に終わった。3人前の紀平梨花(16=関大KFSC)がトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決めるなど会心の演技で、追い上げられる。冷静にライバルを振り切るつもりだったが、途中の3連続ジャンプに失敗。演技後からがっくりと肩を落とすと、採点を待つ時からうなだれた。「悔しい」。涙があふれた。

トップ選手としては際立つ今季10戦目。国際試合の間に国内の地方大会を意図的に挟むなど、常に試合を意識しながら完成度を高めてきた。

1月27日までは全国高校総体(名古屋)に出場。今大会までは中1週となるが、自ら「出たい」と志願する一方、総体翌日にスケート靴を新調した。「エッジ(刃)も替えて、ガチの新品です」と笑顔を見せた。

強みはそこからの適応力。中野園子コーチとともに指導を受けるグレアム充子コーチから「いや~今日ノーミスしたら格好ええわ~」と言われ、「よし! やってやろう!」と新調した当日にSP、フリーをノーミスで通した。「初日は慣れるのに時間がかかったんですけれど『まあ、いけるかな』って」。なじみ方によっては不安要素となる靴の新調も、サラッと乗り越えた。

3月には初出場の世界選手権(さいたま市)を控える。18年12月の全日本選手権を初制覇した18歳が、次は今季最大の舞台に照準を定める。