土居美咲に代わって出場した世界156位の奈良くるみ(27=安藤証券)が第1試合で勝ち、日本は通算2勝1敗で王手をかけた。

スペインも同78位のソリベストルモ(22)に代えて、元54位で、同190位のソレルエスピノサ(31)を投入。奈良が7-6、6-4で下した。しかし、この日の第2試合で同123位の日比野菜緒(24)が敗れ2勝2敗。勝敗は最後のダブルスにかかることになった。

身長155・5センチの小柄な奈良が勝利の瞬間、大きくガッツポーズだ。「今日はすごくがんばれた」。パワーこそないが、高低、左右、緩急を使い分け、相手の体のバランスを崩しミスを誘うテニスが真骨頂。そのプレーをいかんなく発揮し、日本に貴重な白星をもたらした。

第1セット、切れ味の鋭いフォアで、全くミスをしない相手に、奈良は第5ゲームで自分のサービスゲームを落とし2-4とリードを許した。スタートから相手の3度のサービスゲームで1ポイントも奪えず。しかし、「自分のリターンが浅かった。深く返球することを意識した」ことで、がらっと展開は変わった。

第8ゲームからブレーク合戦。常に追う形となった奈良だが、タイブレークにもつれ込むと2-3から一気に5点を連取。第1セットを先取すると、そのままストレートで押し切った。 今日本代表5人の中で、シングルス代表17試合出場と、最も多くの経験を持つ。勝敗も10勝7敗と、勝ち星が先行し、昨年4月のワールドグループ2部入れ替え戦では、日本を勝利に導く貴重な1勝を挙げた。「今まで調子は良くなかったが、フェドはいつでも私を成長させてくれる」。体は小さくても、代表で大きな力の奈良が、日本に流れを引き込んだ。

試合方式は2日間でシングルス4試合、ダブルス1試合を行い3戦先勝。勝ったチームが、4月20日から行われるワールドグループとの入れ替え戦、負けたチームは同日からの同グループ2部入れ替え戦に挑む。