競泳女子で東京オリンピック(五輪)の金メダル候補の池江璃花子(18=ルネサンス)が、白血病を患っているという報告を受け、日本水泳連盟は12日、都内で会見を開いた。

会見には日本水泳連盟青木剛会長、上野広治副会長、所属先のルネサンスからは吉田正昭代表取締役社長執行役員、三木二郎コーチが出席した。主な一問一答は以下の通り。

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ルネサンス吉田社長 今後の活動予定については直近のコナミオープン、日本選手権は欠場。東京五輪に向け復帰については改めて報告させていただく。治療に専念できる環境を整えることが今できる最大のサポートだと思います。

三木コーチ 4日に現地で血液検査と心電図を行った。2日後の診察結果で、帰国して再検査をした方がいいとの説明を受け、再検査を受けた。池江自身のやる気、立ち向かう姿勢には頭が下がる。

-詳細な診断名は

吉田社長 現段階で白血病としか言えない。もう少し時間がかかる。

-合宿以前には体調不良があったか

三木コーチ 直前の大会でいい結果が出なかった。オーストラリアは夏だし、疲れが取れて、体ができあがってくれば問題ないと話していた。

-再検査の結果が出た直後の池江選手の表情は

上野副会長 帰国した金曜日(10日)の夜に本人に報告した。病名については衝撃的だったが、いつもと変わらない普段通りの状況で我々と接してくれた。

-早期発見だったそうだが

上野副会長 通常の生活では発見できる状況ではなかったと推測する。水泳をやっていたからこそ異変を感じて血液検査ができた。

-池江選手の不在で、今夏の世界選手権でリレー種目に影響が出るか。

上野副会長 世界選手権で(予選タイム)12位以内に入らないと、そこで東京五輪の出場権を得られない。池江の復活するしないより、まずは出場権をとることが重要。他の選手に奮闘してもらいたい。池江自身も来年の東京五輪の代表争いに特別措置はないと考えていると思う。スタートラインに立てたとしても必要条件の順位と記録は求められる。それぐらいの覚悟で病気と闘っていると思う。

-五輪を楽しみにしていたと思うが、現時点でどのようにサポートするか

三木コーチ 本人が一番ショックだと思うが、この病気と闘っていくと決めたことによって新たな池江璃花子が強くなって戻ってくることを信じている。東京五輪に出たかった気持ちもあるが、まだ可能性はゼロでないのでメンタル面などケアしていけたら。

-病気に立ち向かうとあるが具体的にどのようなことを話していたか

三木コーチ 病名が判明して10日に初めて話をしたが、最初は言葉は出なかった。頭は真っ白だったとは思うが「病気を治してまた二郎さんと一緒に練習ができるように頑張りたい」と言っていたので自分もそれに対して何ができるかしっかり考えていきたい。

-東京五輪について池江選手本人はどう考えているか。

三木コーチ 本人は間に合わせるという気持ちを見せているし、つらいとは思うが受け止めて完治に向け、しっかり取り組んでいる様子は見られた。具体的に話はしていない。

上野副会長 本人は誰よりも出たかったと思う。でも現状はわかりません。この病気から復帰して練習を指導したコーチはいない。

青木会長 1日も早く病気からの回復を願いたい。ファンの皆さんもご理解いただいて克服に向けて取り組む池江選手を見守っていただきたい。