競泳女子で来年東京オリンピック(五輪)の金メダル候補の池江璃花子(18=ルネサンス)が12日、白血病であることを自身のツイッターで告白した。心配の声が広がる中、白血病治療の現状を専門医に聞いた。

 

白血病は血液のがんの一種で、国内では年間約1万4000人が罹患(りかん)している。国立がん研究センターが昨年5月に初公表した調査結果によると、がんになった0~14歳と、15~19歳中では白血病が最も多かった。

白血病はがん化した血液細胞が無秩序に増殖する。この遺伝子異常の原因は十分に解明されておらず、かつては生存率が低かったが、近年は骨髄移植やがん細胞を狙い撃ちする新型の抗がん剤が登場するなど治療法が急速に進歩。多くの人が回復している。

白血病は大きく分けるとがん細胞が急速に増殖する「急性白血病」と、ゆっくり増殖する「慢性白血病」がある。池江がどちらかは明らかにされていないが、例えば「急性骨髄性白血病」の場合、体力のある若年者ならば最初に複数の抗がん剤で遺伝子異常が起きた白血球を根絶する強力な化学療法をした後、造血幹細胞移植をするなどして正常な白血球を増やす治療法を行うのが一般的だ。

血液内科の専門医・飯塚聡介医師(医療法人社団啓神会AIクリニック)は「治療に要する時間はケース・バイ・ケース。抗がん剤の場合は1カ月以上の継続した治療に専念し、数カ月から半年、1年以上となることもある」。正常な白血球が増加して体力が回復すれば、次第に元の生活に戻すことも可能になるとし、「治療法は進化を続けている。完治を目指し、希望を持って頑張ってもらいたいと思います」と話した。