女子テニスで18年全米、19年全豪を制し、アジア勢初の世界1位となった大坂なおみ(21=日清食品)が12日、ツイッターでサーシャ・バイン氏(34)とのコーチ関係を解消したことを明らかにした。

 ◇  ◇  ◇

なぜこの時期にというのが率直な感想だ。確かに全豪で2人の関係は、これまでとは違って見えた。関係者によれば、すでに昨年に関係は崩れていたという。ならば、昨年末で関係を解消していれば良かったと思うのだが、大坂なりの考えがあってのことだろう。

大坂には独特の世界観がある。日本では「なおみ節」と呼ばれる、まか不思議な話やジョークにそれが見て取れる。以前「私はジョークを言っているのに、誰も笑ってくれない」と苦笑いをしたことがある。極端なシャイということもあり、会場にいるとき以外は「部屋でゲームをしていることが多い」。最大の理解者は「姉」と言っていた。なかなか「大坂ワールド」は難攻不落で「完璧主義者」という世界も、そこから来ているのだろう。

「完璧主義者」のため、少しでも違和感を覚えると関係が持たないのかもしれない。また、選手とコーチの関係は、家族より長く一緒にいて、心同士を深くつなぎ合わせる。しかし「大坂ワールド」は、簡単にそれを許さないのかもしれない。4大大会2大会連続優勝に、世界1位を成し遂げても、確固たる「大坂ワールド」は、いまだに難攻不落である。【吉松忠弘】