04年アテネ五輪柔道男子100キロ超級金メダルで男子日本代表重量級担当の鈴木桂治コーチ(38)が13日、16年リオデジャネイロ五輪同銀メダルの原沢久喜(26)の成長をたたえた。

グランドスラム(GS)パリ大会を終えて羽田空港に帰国。鈴木氏は3年ぶりの国際大会制覇にあと1歩届かず、銀メダルだった原沢について「後戻り出来ない状況を理解しているし、腹が据わった感じがした。投げ技や組み手争いも制していたし、内容も悪くなかった。思い切りもあって、これからもっと良い原沢が出てくると思う」と、“復活”の手応えを口にした。

原沢は首脳陣からの提案でGSパリ大会とGSデュッセルドルフ大会(22~24日)にエントリーし、自身初の「グランドスラム2連戦」に臨む。パリ大会後は世界選手権8連覇のリネール(フランス)らが参加する国際合宿で精力的に汗を流している。「外国人選手と3週間組み合える貴重な機会。プレッシャーもあるかもしれないが、これは与えられた使命だし、乗り越えないといけない試練。『やるしかない』という気持ちで稽古しているように見えた」。

1年5カ月後に迫る20年東京五輪に向け、海外の強豪選手も本気モードに突入した。各国ともにライバル選手の動向を注視し、研究や分析を進めている。100キロ超級は、リオ五輪100キロ級金メダルのクルパレク(チェコ)らが階級を上げて急成長し、筋骨隆々の肉体から放たれる担ぎ技とスピードを武器とした柔道スタイルに変化している。鈴木氏は「超級は、この時期で(マークしながらも)出ていない選手がいる。今は進化する外国人の柔道に対して、自分の柔道をどう当てるかが大切。そこから勝利が見えてくる」と話した。