全国高校柔道選手権(3月20、21日=東京・日本武道館)に出場する開志国際に、来年度から大型新人が加わる。

中国人留学生の花偉航(ファ・ウェイハン=1年)で203センチ、150キロの大型選手。昨年10月に来日して、登録が完了する4月から出場が可能になる。創部2年目で県内トップに駆け上がった同校は、さらに重量級が充実する。

福島遠征(9~11日)で左足首捻挫の故障に見舞われた花は、黙々と体力トレーニングを繰り返していた。「高校チャンピオンが目標。将来はオリンピックチャンピオンになりたい」と大きな体に、大きな希望を描いて来日した。15歳から柔道を始めたばかりだが、大型選手の全身に詰まっているポテンシャルはたっぷり。大倉太監督(50)は「そう簡単に倒れない。春からレギュラーになれると思う」と期待した。

大倉監督の東海大の後輩で中国・北京で柔道を指導する鳥居智男氏(45)から「大型選手で日本留学を希望している選手がいる」という連絡を受けて同監督は昨年7月に北京訪問した。対面して、将来性に注目した。長身選手ながら安定した下半身。大型選手にありがちな「X脚」でもなかった。柔道の癖もついていない。右利きながら来日後は左組み手に変えたほどだ。温和な顔つきながら闘争心を内に秘め、全国高校選手権出場を決めた県大会(1月)を応援していたときに「来年はボクが5人抜きをしたい」と話した。

花は、日本の大学進学志望。大倉監督は「将来、中国代表になるために高校でじっくり基礎作りをして、大学から勧誘がくる選手にしたい」と育成に時間をかけるつもり。それでも、指揮官は花に太鼓判を押した。「6月の県高校総体は100キロ超級で優勝争いする」。203センチの大型選手は今春、新潟の畳の上にデビューする。【涌井幹雄】

◆花偉航(ファ・ウェイハン)2002年3月12日、生まれ。中国・北京市出身。初段。北京体育学校から昨年10月に来日。日本のお気に入りの食べ物は白米とラーメン。「東海大に入りたい」と日本の大学進学志望。203センチ、150キロ。